チェーンの伸びとバケットの巾手の膨らみ変形・その関係性について

アドバンです。

コンベアチェーンは、ダブルピッチチェーンなるものを使います。

AS型、PB型は、#2050、

AM型は、#2060、

AL型、HL型は#2080を使用しています。

AS型、PB型は、4リンク(31.75×4リンク)127㎜がバケットピッチで、

AM型は、6リンク(38.1×6リンク)228.6㎜、

AL,HL型は、6リンク(50.8×6リンク)304.8㎜となります。

チェーンとバケットの寿命の目安は、それぞれに基準があります。

チェーンは、約1.5%以上の伸び、屈曲悪、片伸びなど、

バケットは、有害な摩耗、破損、変形、

変形は、長手の寸法が縮んだら、脱落しやすくなり、巾手が膨らんだら前後のバケットへの干渉によるトラブルで

こちらも脱落、噛み込みが発生してきます。

巾手が膨らむと、長手は縮む傾向のようです。

点検を行う際、

「チェーンが屈曲が悪かったり、走行音がおおきくなったな、チェーンも3回くらい切り詰めてるし、片伸びも酷い。

よし、交換しよう!」

となると思います。

それは、ナイスな判断でとても良い事ですが、

ここで見落としてはいけないのが、バケットのことです。今まで出てきてないですが、スプロケットもそうです。

とても関係性の深い3者です。

「チェーンが新品だ、よっしゃよっしゃ。どーら、バケットでもつけてみようかねー。」

つけて、廻してをやっていくと、

スプロケット部でのバケット旋回部分や排出動作時などでバケット同士が干渉をはじめ大惨事。

またまた、古いチェーンに戻す羽目になるやもしれません。

これは、チェーンピッチが新品になったのに、バケット巾が膨れていると

旋回部などで干渉しちゃうんですね~。弱ったものです。

あくまで永年使ったチェーンとバケットのお話ですので、直ぐに伸び、変形するということではありませんので、

一言ここで入れさせて頂きます。

以下、AM型でお話してみますと、

バケット1個分のチェンピッチ4㎜の伸び、バケット4㎜の巾膨らみだと、

どちらも寿命といってもいい数値ですが、関係性としては新品同士と同等になります。

片伸びなどなければ、概ね支障ないように見えると思います。

チェン新品、バケット4㎜の膨れだと、旋回部で邪魔をしだす寸法になります。

注意です!

逆もしかりで、

チェーンピッチ4㎜伸びに、「バケット新品だ、よっしゃよっしゃ。」とすると、

今度はバケット同士の重なりが薄く、コンベア起動時のバケットの振れや、コーナー部の旋回後のバケットの振れなどで、

ツバの重なりが「ペロン」と逆の重なり(逆ラップ)になりやすく、

排出動作時、投入部への進入時など、噛み込み、脱落の事故が発生してしまいます。

これも注意です!

スプロケットも、伸びたピッチのチェーンと永年連れ添っているので、

それに馴れ合った摩耗をしています。

どこか一人新参者をいれると、逆にうまく行かなくなることは、

他の事柄でもよくあることだと思いますが、

バケットコンベアも、単純な構造だけに、

各部品の関係性が非常に重要になってきますので、

やはり、すべて同時の部品交換が一番安心です。

点検や部品交換の際は、メーカーに一任して頂いたら間違いないかなと思います。

正規のツバ同士の重なり:9.5㎜
チェーン3.5㎜伸び、バケット中央8㎜膨れ、バケット同士の重なり:14mm(+4.5mm)※バケット同士、干渉していました。

8mm膨れのバケットでチェーンだけ新品にすると、バケット同士の重なり:17.5mm(正規寸法プラス8mm)

【稼働不能】

バケットだけ新品に交換すると、バケット同士の重なり:6mm(正規寸法マイナス3.5mm)

【起動時、コーナーの旋回部などのバケット揺動による逆ラップの可能性増加】